結局、本には実体があるほうがよかった

子供の頃から本を読むことが好きだった。
電子書籍が登場しても、気持ち的に紙の本のほうがいいなぁとずっと手を出さないでいた。
しかし、kindle paperwhiteという端末がとても優れている、という話をあちこちで見ているうちにすっかり興味が湧いて、ついに購入したのが2年前。
お風呂で読んでも紙がびよびよにならないことが嬉しくて頻繁に持ち込んだし(当時はまだ防水モデルではないのでよろしくない)、寝るときのお供にも最適で、とても愛用していた。
が、最近はあまり使わず、また紙の本ばかり買っている。



自分は興味の移り変わるスピードが早いことと、あまり収入があるわけでもないので本は購入せずに図書館で借りてくる派だったのだが、この言葉に大変感銘を受けて、それからは興味をもった分野に関して最低1冊は購入することにしている。

背表紙を見ている時間が好きだ。
背表紙を見ていれば内容は思い出せるし、そういえばこんなん買ったな、とか、最近買った本は昔買ったこの本と通じるものがあるな、なんて位置を組み替えてみたり。
墓標となってしまった本は結局読まないままなのだが、目につく場所にあるので、なんらかのきっかけでまた興味が沸くかもしれないことを期待している。

ところで電子書籍、この点で本に及ばない。
Kindleは新しく買ったもの、最近読んだものは先頭のほうに表示されるが、そうでなければどんどん後ろのほうへと流されていく。
そうすると、興味を失ってしまった電子書籍が目に触れる機会はどんどん減っていく。墓標というより埋葬のほうが近いような。埋まってしまうので。
ライブラリ画面をスクロールしながらなに買ってたかなぁ、なんて確認するくらいなら、背後の本棚を振り返って眺めるほうが性に合う。

別に電子書籍が嫌いなわけではないし、管理の仕方を変えれば改善されるのかもしれない。
ARかなにかで電子書籍も本棚のように表示できたらそれが一番ハッピーな気がする。
手のひらの画面をスクロールするんじゃなくて、一面の情報をぼんやりと眺めたいんだ自分は。


意識の高そうなサブタイトルが鼻につくが、本棚に向き合う姿勢が変わった本。よかった。
本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか